「理科」で歴史を読みなおす

新書の"「理科」で歴史を読みなおす"を読みました。

大学は理科学系の学科に進学したものの歴史が大好きな自分にとっては非常に趣向とマッチした本でした。

印象に残ったところを紹介します。


10進法以外に2進法と16進法を使いこなす僕ですが,12進法が意外に使えるものだとはじめて知って驚いた。
まぁ確かに日常でダースとか使うので現在も残っている言葉だけど。
なぜ12進法を使っていたのかというとそれが便利だから。具体的には直角三角形を構成する3, 4, 5の和が12であるから。
応用するには便利だよね,直角がすぐ作れるので測定等で大活躍しそう。

それから芸術家からみた科学者の絵(挿絵で入ってました)も思い出に残る。当時の人から見た科学者とは?みたいなイメージが知れて楽しかった。でもこういうイメージを今でも持つ人が多いのだろうな〜とは思う。
よく文系の人にとっては科学=よくわからないモノというイメージを持ってるなぁと感じる。
(わからないモノを通り越して嫌いっていうイメージをもつ人も多いが…)


それから日本で取れる鉱石やその加工技術の歴史も。
とくにびっくりしたのは黄金の国ジパングと言われるだけあって金銀ともにたくさん取れたが加工技術が未熟で銭が作れなかった頃は外国から金で銅銭を買ってたという事。今日のものづくりにプライドかけてる日本からは想像できない事実で笑った。

前半,中盤は歴史を理科で読み解くというタイトル通りの構成だが,
後半から終わりにかけては歴史から得られた教訓を若い技術者や研究者に向けて語りかける感じになりガラっと印象が変わります。ここら辺は好き嫌いがわかれるかな〜?

この後半の文章から僕が受けた印象はなかなか考えさせられる言葉が多く,歴史にあまり興味がないエンジニアな人が読んでも得るものが多いような気がします。