勉強会

http://web-ext.u-aizu.ac.jp/~niki/feminstr/introfem/introfem.htmlのChapter3のまとめその1です。
3.1 Problem statementに関してまとめました。

Chapter3の概要

Chapter3は三次元での静解析問題,
三次元上で表面力と体積力がかかっているが平衡である弾性体の状態
変分法を使って未知数である変位を解く事がかかれています。

エネルギー原理から有限要素方程式を求める方法,そしてそれを全体行列に組み合わせていくまでの流れです。

変位と歪

変位は\vec{u} = ( u, v, w) と表す

歪は有限要素法の計算を行う上で扱いやすいように,6成分(対称性を考慮して)を並べたベクトルとして扱う。
 e = (e_{xx}, e_{yy}, e_{zz}, e_{xy}, e_{yz}, e_{xz} )

変位と歪の関係は次のように微分演算子を成分にもつ3x6の行列Dを用いて

 \frac{\partial}{\partial x} 0 0
0  \frac{\partial}{\partial y} 0
0 0  \frac{\partial}{\partial z}
 \frac{\partial}{\partial y}  \frac{\partial}{\partial x} 0
0  \frac{\partial}{\partial z}  \frac{\partial}{\partial y}
 \frac{\partial}{\partial z} 0  \frac{\partial}{\partial x}
 e = D u

3成分のベクトルから6成分のベクトルを作るので行列は3x6になる。
行列Dとベクトルuのかけ算を書き下せば,歪の定義になることが確認できるはず。

応力と歪の関係

歪と同様に応力も6成分のベクトルで表す
 s = ( s_{xx}, s_{yy}, s_{zz}, s_{xy}, s_{yz}, s_{xz})

弾性テンソルを基に次のような6x6の弾性マトリックスEを作ると

λ + 2μ λ λ 0 0 0
λ λ + 2μ λ 0 0 0
λ λ λ + 2μ 0 0 0
0 0 0 μ 0 0
0 0 0 0 μ 0
0 0 0 0 0 μ

上記のEを用いて応力sと歪eの関係は次の線形関係となります。

 s = Ee

λとμはそれぞれラーメの定数とよばれるものでポアソン比と弾性率から求まります。


また,熱により発生する熱歪を考慮する場合,歪eから次のベクトル
 e^T = ( aT, aT, aT, 0, 0, 0 )
を引けばいい。ここでaは熱膨張率でTは温度。

歪エネルギー

応力テンソルσと歪テンソルεを使ってエネルギーは
 \int_V \frac{1}{2} \sigma \epsilon dV

(Vは弾性体の体積)

ここで先述の歪ベクトルeと応力ベクトルsに上式を置き換えると

 \int_V e^T s dV

(ベクトル同士のかけ算なので転置を使った)


歪と応力の関係,歪と変位の関係から上式は結局変位についての式に書き下せる事になります。

外力を考慮したエネルギーの総和

表面力p_Sが行う仕事は,それが作用している面積をSとして
 \int_S u^T p_S dS

体積力 p_Vが行う仕事は
 \int_V u^T p_V dV

結局エネルギーの総和は
 \int_V e^T s dV + \int_S u^T p_S dS + \int_V u^T p_V dV

となる。


変分法は上記のエネルギーの総和を表す式について極値が0となるものを求めることで未知数である変位を計算する。